今週読んだ3冊のご紹介です。
「パンダはどうしてパンダになったのか?」
科学絵本 800万年生きた進化の歴史
著/方盛国(ふぁんしぉんぐぉ)
絵/わんうぇい
技術評論社 2023年6月22日 初版第1刷
パンダといえば竹のイメージですが
約800万年前のパンダは肉食だったそう。
見た目も今とはまるで違い集団で狩り。
その頃のパンダのことを「始パンダ」と呼びます。
体格も今よりずいぶんと小柄です。
800年の時を経てどのように進化したか。
この絵本では豊富なイラストをまじえて
時に迫力満点、時にユニークに解説されています。
かわいらしくて、もぐもぐと竹を食べてる現在のパンダが
どんな道を辿って今の姿やライフスタイルを獲得したか。
絶滅した動物や、元から草食の動物との対比も興味深い作品です。
「わたしは きめた」日本の憲法 最初の話
詩訳/白井明大
絵/阿部海太
ほるぷ出版 2023年7月23日 初版第1刷
日本国憲法の前文を
小学生にも伝わるような分かりやすい言葉で
詩人の白井明大さんが詩に訳した作品。
「平和を守れるのは平和」そのことの重みが
たくさんの人たちの心に届きますようにと
切に願います。
巻末に掲載されているQRコードを読み取ると
聞くことのできる、YouTubeに掲載された
本作の朗読もぜひ聞いてほしいです。
朗読は朗読詩人・ナレーターの石渡紀美さん。
言葉の内容が、文字として読む詩とはまた違った
直接脳に響くような伝わり方をして印象に残りました。
「ちょっとだけ のんびりするひ」
文/ウェンディ・メドゥール
絵/ダニエル・イグヌス
訳/やまもと みき
化学同人 2023年7月 初版第1刷
原題は「Tisha and the Blossom」
Tishaは少女の名前ティシャ 英訳すると「ティシャと花」
日本語題とは全く縁もゆかりもなさそうなタイトルです。
読んでみると日本語のタイトルは
ストーリーから名付けられたことがわかります。
それに対して原題はイラストからでしょう。
少女の心模様を表すように画面に散りばめられた花たち
それは踊るように溢れるように包むように
その時々の少女の心の動きに合わせて描かれます。
皆さんならどちらがお好みでしょうか。
私は原題に一票。
物語のおわりに描かれているのはおおぶりの枝に満開の桜
ティシャファミリーと一緒に
「のんびり」とお花見をしたい気分になりました。