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一期一会の本と日常のおはなし

笑えます、絵本「ゆかしたのワニ」

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今日は「いい歯の日」。毎日の大切な習慣、健康のために欠かせないのはニンゲンだけではないみたい。

「ゆかしたのワニ」(福音館書店 2018年11月 月刊「こどものとも年中向き」発行 2022年5月「こどものとも絵本」第1刷) 文 ねじめ正一  絵 コマツ シンヤ

 

まずは感想からです…

縦20×横27cmの大きさの絵本です。対象年齢が「読んであげるなら4才から」、「自分で読むなら小学校初級向き」と背表紙に書いてあります。

ふふっ、ふっ、ぷーっ、って感じでページをめくるたびに、笑ってしまいました。

漫画が好きな方なら大人でも楽しいかも。お話しの内容を、盛り上げるだけ盛り上げてくれる絵になっています。

 

お話しと絵について…

いたってシンプルなストーリーです。主な登場人物は主人公の「ぼく」と「ワニ」だけ。(ワニは人物じゃないですが。)「ぼく」がすることも、ごく当たり前のこと。夜になると床下に行って、床下に住んでいる「ワニ」の歯みがきをしてあげるだけ。

(確かにワニの体の構造的に口まで腕が伸びなさそう、自分で磨くのは無理ですね。)

 

この絵本は、「ぼく」が「ワニ」の歯を磨く作業の始まりから終わりまでの物語です。

大きなワニだし、なんといってもワニなので、歯みがき用の身支度準備は大変です。何に使うのか、木の棒とか布団ばさみとか珍しいアイテムを持って行かなければなりません。さて、どうなることでしょう。。。

 

このお話しは、この絵があってこその絵本だと思います。

ワニの口の中は、迫力満点。一本の歯の大きさが、自分の頭くらいありますから大変そうですが、「ぼく」は慣れた手つきで歯みがきを進めていきます。

ワニを描く角度、アングルがいいです。ちょっと油断してページをめくるとビックリするかも。

それから、ワニは爬虫類ですからポーカーフェイスです。けれどちゃんと感情が見て取れる部分が。それは「目」です。ワニのクールな「目」がそのときどきの微妙な感情の変化を表わしていますので、ぜひ注目してください。

とっても楽しいので読み聞かせにも、ぜひ。

作者の紹介…

文章は、ねじめ正一、1948年東京都生まれ。小説「高円寺純情商店街」で直木賞、「荒地の恋」で中央公論文芸賞を受賞。「そらとぶこくばん」や「みどりバアバ」など子ども向けの作品も多数あり。

 

絵は、コマツ シンヤ、1982年高知県生まれ。マンガ作品に「睡沌氣候」「8月のソーダ水」「午后のあくび」など、児童書の仕事に「デタラメ研究所」「カタツムリ 小笠原へ」「ミライノイノチ」などがある。

 

毎日の歯みがきは大変だけど大事なこと。「ぼく」のおかげで「ワニ」に虫歯はないようです。ごはんを食べたら歯みがきしましょう!