今週読んだ絵本です。

「12月通り25番地」
作:ヘレン・ウォード
絵:ウエイン・アンダースン
訳:岡田淳
(BL出版 2005年11月20日 第1刷発行)
この時期になると、夜の街並みが明るいイルミネーションに輝き、店頭は深みのある赤と緑に彩られて、自然とクリスマス気分が湧いてきます。
私はそんな経済活動の戦略に見事あっさりと乗せられてしまいますが、本作の冒頭に登場する人々も同じよう。大通りは買い物に夢中のお客たちで溢れています。
真っ赤なコートを着て、ひとり贈り物を探しに街に出た主人公の女の子は、そんな人々の行きかう大通りからはじき出されてしまいました。
どうしても、「あの子」のための贈り物を買いたい女の子。
いつの間にか、人通りの全くない「12月通り」に辿り着いてしまいました。
行けども行けども寂しい通りに引き返そうと思ったとき、「25番地」で一軒の不思議なお店を見つけます。そこは、クリスマスの贈り物が沢山置かれた今まで見たこともないお店。。。
お話のなかに、あっという間に引き込まれてしまう幻想的なイラストが素敵です。
グレーの濃淡を使った点描で表された、深々と美しい雪の舞う通り
お店のショーウインドウの、心にポッと明かりが灯るような贈り物の数々
がらくたが置かれた店先には、なんとちょっと怪しげな死んだ虫がひっくり返った姿で描かれています。
女の子が辿り着いた不思議なお店の内部は、奥行きの細部まで細やかに描き込まれて、いつまでも見ていられそうです。
女の子の願いは叶うでしょうか。「あの子」って誰かな?それは読んでのお楽しみに。
物語には、クリスマスには欠かせないあの方も普段着姿で登場します。いつもはどんな服を着ているか、このお話を読めばそんなトリビアも発見できますので、こちらもお楽しみください。
