今週読んだ絵本です。

「森のおはなし」(A forest)
作:マーク・マーティン
訳:おび ただす
(六曜社 2017年8月20日 初版第1刷発行)
先日、地元の植樹祭イベントに参加しました。今回で第8回目。福島県の「中通り」地域にある小野町での開催です。写真は植樹したヤブツバキの苗木です。
苗木を植える、その行為自体は穴を掘って根の部分を植えれば完成なので、大人も子どもも誰にでも容易にできることです。けれど、実際どこに植えるかとなると、意外と機会がないものです。家の庭は、すでにぎゅうぎゅう状態でご近所迷惑を考えると切る方専門。ほかの土地に勝手に植えるわけにもいかないし。。。
私の祖母は、旅行などに出掛けて行っては苗木を持ち帰り、庭に平面がなくなるぐらいにどんどん植えていました。
祖母が亡くなり20年ほどになりますが、晩年に植えた高さ50センチほどの苗木が(その時は、「またこんなところに!一体何の木を植えたのか」と思っていましたが)今では、2階の屋根より高く大きく成長し、夏になると白くて大きな花を咲かせます。
もう1本は(そうです、植えたのは1本ではありません)、生垣に使われる紅かなめが「こんなの見たことない」と言われるほど大木になりました。
なぜそんなに、と子どもの頃はその気持ちがわかりませんでしたが、最近はなんとなく「こんな気持ちだったんじゃないかな?」と思うことがあります。

本作「森のおはなし」は、太古から長い年月をかけて育まれた森が、人間によって破壊されていく様を静かで落ち着いた語り口と木の優しい色合いと形が魅力的なイラストで描いていきます。
はじめは必要な分だけ切って、そこに新しい苗木を植えていた人間。
徐々に欲張りになっていく人間。
すべての木々を切り倒し、森をビルや工場に変えていった人間。
お話は、そこで終わりではありません。その先も続きます。
森が失われたことで、空気が汚れ、暴風が大雨を呼び
大洪水が人間の作った全てを流し去ってしまいました。
そして。
風が止まり雨が降り止んだ時、そこに残されたのはたった一本の小さな木だけ。
人間の姿はどこにも見当たりません。
再び、長い長い年月をかけて、小さな木は仲間を増やし豊かな森が作られましたが
そこに人間の姿は描かれることなくお話は幕を閉じました。



苗木を植えることは、とても前向きな行為だと思います。成長を思い描いたり、健やかな未来が続くことを願うきっかけにもなります。
豊かな森があって、そこに人がいる未来を思い描きながら、小さな苗木を植えました。
最後の写真は、地元の有志の方によるふるまい鍋。植樹の後の「まんがこ汁」はお腹も心も温まり、格別に美味しかったです。
