今週読んだ絵本です。

「VIKTOR ヴィクトール」
作:ジャック&リース
訳:野坂悦子
(求龍堂 2023年5月29日)
今週は、こんな絵本もあるんだと、後味イマイチな感想を持った絵本でした。
私にとっては、ちょっと塩辛い作品。けれど読み手によっては、そんな風には思わないかも。笑って終われる作品かもしれません。
タイトルになったヴィクトールは狩り好きの主人公の男性。念願だったヒョウを仕留めて、毛皮の敷物にすると、床に広げて寝転んでご満悦の様子です。
体が大きく手や足や顔は極端に小さく、デフォルメされたヴィクトールのイラストは、造形的でもありコミカルでもあり、物語の内容をどこか滑稽で軽快なものにしています。
ヒョウの毛皮と同じように、装飾的で美しいイラストが展開していきます。描かれている場面の内容は、どの立場で見るかによって悲しみや奇妙さを伴いますが、イラストのおかげで安易な不快感には囚われることなく読み進められました。
ヴィクトールにはヴィクトールなりの、思いやりや親切心があり、物語の後半は彼のそんな気持ちから発した行動で進んで行きますが。。。
とても軽い感じで描かれるストーリーとイラストのなかに、「ザ・ニンゲン」が映し出されているように感じました。「自分は違う」と思っていても、意外とみんなそうかも。
締めくくりの1ページに、読む側の心持によっては、痛いところを突かれた思いになる方もあれば、一笑に付して本を閉じる方もいそうな独特の後味を残す作品です。
