理科が楽しくなる本です。
「ビーカーくんとそのなかまたち」
この形にはワケがある!
ゆかいな実験器具図鑑
(誠文堂新光社 2016年7月 発行)
著者 うえたに夫婦
どんな本…
実験器具をキャラクター化して
多様な実験器具の関係性を中心に
解説している本です。
冷たく無機質なイメージの実験器具が
急に親しみのある存在に
変身したような気になりました。
登場するのは
ビーカーくんやフレスコくんたち。
いろいろな種類があります。
それぞれに特徴を捉えた顔が描かれていて
ユニークで身近に感じます。
ビーカーという名前の由来や
いつごろ何のためにできたか
ひとくくりにビーカーといっても
どんな材質や形状のものがあるか
どんな使われ方をするか
器具の得意なことや特性についてなど
文字だけで読んだなら
一度には理解しにくいことも
キャラクター化され
マンガ的に表現されるとすんなり頭に入ってきます。
ちなみに「ビーカー」の名前の由来は
英語の「ビーク」(beak:くちばし)
注ぎ口のとがったところの形状が
由来になっているんですね。
そしてちょっとビックリしたのは
ビーカーについている目盛が
「あまり正確ではない」
と書かれていたこと。意外でした。
それではと、
正確に容量を測るために登場するのが
シリンダーくんやピペットくん
それらの器具にも多数の種類があり、
容量を測る正確度も違います。
130を超える実験器具の
そんな専門的な知識を
笑いを交えたマンガによる解説で
楽しく覚えることができます。
感想を…
もう一度学び直すことができるなら、
学んでみたいのが理科や化学
なぜか学んだことが一度もなかったんじゃないか
と思うくらい学んだ記憶が全く残っていない^^;
なぜなのか?
教え方が自分には合わなかった?
自分との関係性が遠いものと思って
興味が湧かなかったのかも?
こんな風に可愛さをアピールしてもらうと
知りたい気持ちが強まります。
本書のおすすめのひとつ
著者の目線で語られるユニークな
「キャラ特性」について、ほんの一部を
ご紹介して締めくくりたいと思います。
ビーカーくんの測る仲間として登場する
「コンパスおじさん」
キャラ特性は
「よく相談に乗ってくれる。
方角だけでなく、
人生の進むべき道も教えてくれる。」
流す仲間と洗う仲間として登場する
「ろ紙くん」のキャラ特性は
「沈殿物で顔が汚れるが、
この仕事を誇りに思っている。」
細やかなところまで
著者の実験器具愛を感じる本でした。