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一期一会の本と日常のおはなし

【ふるやのもり】どろぼうが引っ張ったのは?日本の昔話

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勘違いが引き起こす愉快な大騒動。

「ふるやのもり」日本の昔話

福音館書店 1965年1月 月刊「こどものとも」発行) 

再話 瀬田貞二  

絵 田島征三

どんなお話…

ふるやのもり」の意味をご存じですか?

私は知らなかったので、お話に登場する泥棒と

同じ道筋をたどったかも⁈

まずは物語のはじまりを…

むかし、あるむらの

はずれに、じいさんと

ばあさんが すんで

いました。ふたりは

りっぱな こうまを

そだてていました。

 

狙われたのは仔馬

狙ったのはふたり

ひとりは、どろぼう

もうひとり(一匹?)は、オオカミ

 

どろぼうは馬屋の梁に

オオカミは馬屋の藁の中に

こっそり隠れて仔馬を狙っていると

じいさんばあさんの会話が聞こえてきました。

 

老夫婦には

どろぼうよりも

オオカミよりも

怖いものがあるのだと。

それが「ふるやのもり」です。

 

一体「ふるやのもり」の正体とは?

お話の続きは…

なんだかわけがわからないまま

どろぼうとオオカミは

「ふるやのもり」に襲われたと思い込み

大騒動になります。

 

潜んでいた暗闇の効果か

悪事を企んでいたやましさが引き金か

「ふるやのもり」への恐怖心で

仔馬のことなどそっちのけです。

 

ドタバタコメディのような展開

繰り広げられていきます。

絵の魅力を…

この騒々しい昔話に添えられた絵は

お話の雰囲気によく似合い

粗く大胆な筆致が

滑稽でありおどろおどろしくもあり。

 

パッと見、

どっちがじいさんで

どっちがばあさんか

分からないような見かけが

泥臭くて味わいがあったり

 

どろぼうとオオカミが

「ふるやのもり」に驚く場面では

勢いが有り余って

今にも画面から飛び出しそうです。

 

物語のおしまいに

尻尾の長い猿がでてくるのですが

この絵の姿では、そうと言われなければ

猿に見えないかも

ところでふるやのもりとは…

ふるやのもり」という

どろぼうたちにとっては意味不明の言葉のおかげで

どろぼうもオオカミも恐れおののいて退散

仔馬は無事というめでたしめでたしな昔話。

 

その昔、雨の日に

古い粗末な造りの屋根からの

ふるやのもり」に

悩まされる家は多かったかと思います。

修理も難しかったでしょうし…

(これで「ふるやのもり」の意味を

ご存じない方もお分かりになったかな?)

 

そんな現実のちょっと厄介な困りごとを

こんな風に、面白おかしい物語を作ることで

笑い飛ばしていたのかなと想像しました。

 

ところで、どろぼうが引っ張ったのは

最後に登場した猿の長い尻尾

それも引っ張りすぎて、ぷつん!

どうして猿がこんなとばっちりを受けたのかは

本書を読んでみてくださいね。