知っているようで知らなかったクリスマス、新しい発見がありました。
(福音館書店 1989年12月発行)
作 角野栄子
この本は、
角野栄子さんが
クリスマスの歴史や
いろいろな国のクリスマス習慣を
たくさんの写真や昔の版画などとともに解説した本です。
1989年の作と、少し古いものですが
サンタクロースやクリスマスの成り立ちが
詳しく書かれていて理解が深まります。
また、角野栄子さんが
サンタクロースの家や世界のクリスマスを
実際に訪問し見て、丁寧に解説しています。
なぜ、クリスマスケーキを食べるのか
なぜ、クリスマスツリーを飾るのか
サンタクロースって一体だれ?
なんでプレゼントをくれるの?
この本を読めば、こういった疑問も解決できそうです。
また、
実はイエス・キリストの誕生日は12月25日ではなかった?
サンタクロースははじめ、今では定番のあの赤い服ではなかった?
サンタクロースは途中からクリスマスに参加した?
など
思いがけない真実も詳しく説明されていて
当たり前だと思っていたけど実は違っていることを発見できるかも。
さらに、
お盆やなまはげといった日本の伝統的な文化とクリスマスとの共通点も解説されていて、興味深く読みました。
作者が実際に体験した訪問記も面白いです。
まず、スウェーデンとフィンランドにある「サンタクロースの家」(片方は正確にはサンタクロースの事務所だそうです)。
オーストラリアで体験した真夏のクリスマス。外で蚊に刺されたエピソードも書かれています。
アメリカではニューヨークの豪華絢爛なクリスマス。現地で深夜のミサも体験。
各ページにそれぞれの様子がよくわかる写真やイラストが掲載されていて、見ているだけでクリスマス気分に。
実は私が一番ひっかかったのは、本文ではなく小さなコラムでした。
その部分を抜粋してこの記事をしめくくりたいと思います。
クリスマス・ツリーにさげるかざり
むかし、ヨーロッパのほうぼうにいたケルト人たちも、冬でもみどりの色をうしなわない木々に神や精霊がやどっているとしんじていました。それで、人間や動物をいけにえにして、神のすむ木にぶらさげたりしていたのです。クリスマス・ツリーにりんごや人形をさげるのは、こんなむかしの風習のなごりだといわれています。
人間や動物…昔は本物をぶらさげていたとは。あのかわいい人型クッキーは本物の身代わり…現代に生まれてよかったと思った瞬間でした。
角野栄子さんについて、こちらの記事でも紹介しています。