クリスマスイブまであと一週間です。サンタさんを迎える準備はできていますか。
「クリスマスイブの出来事」
(理論社 2003年11月初版)
作 星新一
絵 和田誠
子どもの頃、よく読んでいた星新一さん。
ひとつひとつの内容は忘れてしまったけど
どれもウイットに富んだひねりのあるお話しで、
もっと読みたいと病みつきになりました。
久しぶりに手にした本書は、
星新一ショートショートセレクションと題した15冊のシリーズのなかの1冊で、
21の短編が収録されています。
表題の1話がクリスマスに関連するお話し。
どんなお話しかというと…
ショート過ぎて内容を話してしまっては
つまらなくなってしまいますね。
代わりに感想を少しだけ。
みなさんはサンタクロースを信じてますか。
サンタクロースは信じている者にしかやってこない、正にそんなお話しです。
そうですね、あとは、
私もトナカイのソリに乗りたいなぁ。
(感想おわり)
ほかの短編も読んでみましたので、その感想も少しだけ。
以前に読んだことがある方なら
きっと懐かしいと思う「エヌ氏」。
そして、こんなに短いのに、
どれも人間の本質、
しかも痛いほうの本質を突いています。
しっかり自分にも当てはまる愚かさ。
作者のショートショートに時折触れると、
思考の垢を落としてくれる気がします。
プロフィールも手短に…
作者の星新一さん(Ⅰ926-1997)は東京都生まれ。東京大学農学部卒業。
日本で最初のSF同人誌「宇宙塵」に参画。
ショートショートと呼ばれる短編の新分野を確立し、千以上の作品を発表しています。
「妄想銀行」で第21回日本推理作家協会賞を受賞。主な著書に、「ボッコちゃん」「宇宙の声」「ようこそ地球さん」などがあります。
画家の和田誠さん(Ⅰ936-2019)は、大阪府生まれ。多摩美術大学卒業。
グラフィックデザイナー、イラストレーターのほか、映画監督や作詞作曲家、エッセイストなど幅広く活躍されました。
本書の軽妙な表紙絵や挿絵は、ストーリーの不思議さをユーモアと共に彩ってくれています。
私は何歳までサンタクロースを信じていたのかしら。
いつまでかは覚えていないけど、
枕元に靴下を置いて
眠りに落ちる前のワクワク感を、本当にしばらくぶりに思い出しました。