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ボリビア出身の作家の絵本・ラマと少年の物語【カルイタの伝説】

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「カルイタの伝説」(蝸牛社 1984年12月 第1刷) 文 アナ・マリア・デル・カルピオ  絵 デリオ・カルレス  訳 金田 直子

 

 

南アメリカ大陸のほぼ中央に位置するボリビア

日本の約5倍の面積に、熱帯森林やサバンナなど多彩な自然を有しています。

 

なかでもアルティプラーノと呼ばれる、ボリビアの西、アンデス山脈が二つの山系に分かれた平坦な高原地帯は、国の人口の約40%が集まっている地域です。

 

平均海抜が3000~4500mの寒冷地に広がるアルティプラーノでは、高地に適したラマ(リャマ)やアルパカの放牧が盛んです。

アルパカは柔らかい毛を毛織物の素材とするため飼育されていますが、ラマは主に荷役運搬のために飼育されています。



どんなストーリー…

物語はチャンビ家の一人息子の少年ペドリトと、その家に生まれた美しい赤ちゃんラマの出会い、成長、奇跡を綴ります。

登場人物の肌の色や色彩豊かな民族衣装に、中南米の国ボリビアの雰囲気が感じられます。ラマが重要な存在として登場する物語、舞台はアルティプラーノのようです。

 

少年ペドリトは、誕生した赤ちゃんラマに「カルイタ」という名前を付けました。雪もミルクもかなわないほどの、真っ白な毛並みのカルイタ。

 

ふたりは共に成長し、お互い無くてはならない存在になります。

弱かった少年ペドリトは、村一番の元気な少年に、

そして赤ちゃんラマだったカルイタは村一番の美しいラマに成長しました。

ところがそんなカルイタに大変な出来事が…

 

大切な親友カルイタを守るために、ペドリトが取った行動は?

少年の純粋で真っ直ぐな強い思いが、大きな大きな奇跡を呼ぶ物語です。



ボリビアについてもう少し…

ボリビアは、日本のほぼ真裏に位置しています。

国旗は、赤・黄・緑の三色旗。

赤は独立戦争で流された血と犠牲、黄は豊かな鉱物資源、緑は森林資源を表わす色。

中央の紋章には国を象徴するポトシの丘、コンドル、ラマ、パンの木、太陽、州の数を表す9つの星が描かれています。

この絵本のテーマにもなったラマは、国旗に描かれるほどボリビアでは大切な存在です。

 

この絵本は、以前も記事にした野間児童絵本原画コンクールの応募作。コンクールについては、よろしければこちらを参考に。

tokinoakari.hatenablog.com

 

国の長い紛争で、経済が疲弊し続けているという側面もあるボリビアですが、自然や動物と共存する美しい国です。

有名な観光地として、東京都の5倍の面積がある広大なウユニ塩湖があります。