大金星!今朝は寝不足の方も多いのでは?
昨日冬のタイヤ交換に。いつもより早めですが、営業マンさんの「備えあれば…」の声がきっかけ。ドイツも日本にしっかり備えていれば?備えると侮る、似て非なる文字。
「いやいやえん」(福音館書店 1962年12月 初版) 作者 中川李枝子 絵 大村百合子 子どもの本研究会編集
きっとたくさんの方から親しまれてきた物語。読んだことがなかった私でもタイトルは耳にしたことがありました。
本書を読んで感じたこと。本を手に取って開けば、いつでもどこにでも、その気になれば自由に飛んでいって遊べるんだなぁ。空想の世界は限界がないんだなぁ。
本書の内容は…
「ちゅーりっぷほいくえん」の年長さん「ほしぐみ」と年少さん「ばらぐみ」の子どもたちが、ばらぐみのやんちゃで超マイペースな男の子「しげる」を中心に、ユーモアたっぷりの、ちょっと不思議なストーリーで描かれています。
7つのオムニバス形式の短編「ちゅーりっぷほいくえん」「くじらとり」「ちこちゃん」「やまのこぐちゃん」「おおかみ」「山のぼり」「いやいやえん」で構成。どれもひらがなが主のわかりやすい言葉で綴られています。
最初のお話「ちゅーりっぷほいくえん」が私にはとっても楽しかったです。
保育園には約束事が70くらいあります。なかでも大切なのは「なげないこと。ぶたないこと。ひっかかないこと。」簡単です。ほかの約束も同じく簡単なこと。
けれど、しげるちゃんは、一日で17回も約束を忘れちゃいます。
鼻くそをなめたり、ばかやろうと言ったり、おもちゃを横取りしたり…作者が実際現場で見てきたことなのでしょうか。つぎつぎ出てくる約束違反に思わずクスッとします。
「くじらとり」は年長のほしぐみの男の子たちが、積み木で作った船でクジラを捕獲しに行くお話し。
「おおかみ」は、赤ずきんちゃんを思い出しました。こちらのオオカミのほうがきれい好きです。
そして「山のぼり」。しげるちゃんの食いしん坊なところが災いし、とんだことに。
どの物語も、夢と現実がちょうど良く一緒になってる感じがしました。
「ちこちゃん」でもしげるちゃんの強情っぷりが炸裂です。それに対するなつのなつこ先生の対応が見事です。「そこまでするの⁈」って対応ですが、そのおかげでさすがのしげるちゃんも降参です。
そして、動物好きにはたまらない可愛らしさの「やまのこぐちゃん」。私も、はるのはるこ先生になってやまのこぐちゃんから同じハガキをもらいたい!
このお話しでは、恐いもの知らず(というか考え無し?)のしげるちゃんの良いところがでています。自然に口角が上がること間違いなしです。
最後のお話し「いやいやえん」。読む前、私はタイトルを間違って解釈していました。「えん」は「えーん」じゃなく「えん」だった。。。こんな場所があったなら、と思っている親御さんも多いのでは?いつもと違った体験をして、いつもの良さに気がつくしげるちゃんが微笑ましい物語です。
物語に寄り添うように、さりげなく描かれたイラストもほのぼのした味わいです。
著者について…
著者は長年保育の仕事に携わってきた方。就学前の小さな子どもの心理に精通していらっしゃることが本書からもうかがい知れます。
以前記事にした「ぐりとぐら」で著者のインタビュー動画もリンクしています。よろしければこちらもご覧ください。