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一期一会の本と日常のおはなし

パプアニューギニア作家の絵本

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今日も晴れそう。日差しが温かいと気持ちがほぐれます。

「キコと愛犬べイク」(蝸牛社 1991年7月初版)文・絵マーロン・ケリナド  訳 アラキ・トキ

まず野間国際絵本原画コンクールについて…

野間児童絵本原画コンクール(のちに野間国際絵本原画コンクールに名称変更)とは、「優れた才能を持ちながら作品発表の機会に恵まれない、アジア(日本は除く)、太平洋、中南米、アフリカの各地域とアラブ諸国の新進アーティストを発掘し、創作活動を奨励することを目的とした原画コンクール」。

野間国際図書開発基金をもとに公益財団法人ユネスコアジア文化センター(ACCU)が主催し、1978年から2008年まで隔年で開催され、2008年(第16回)で終了。

本書を手にするまで、全く知りませんでした。ガーナ、ドミニカ共和国キューバボリビアスーダンベネズエラなど各国の作品が出版されています。

 

 

本書について…

この絵本は、1986年に開催した第3回コンクールの入選作品です。

 

物語は、カムファ村のある一日の出来事。村の男たちは野ブタ狩りにでかけようとしています。村にとって野ブタは大切な食糧となる獲物です。

早起きして遊んでいたキコ少年と愛犬べイクは、森に鳥を捕まえに行きますが、途中ではぐれてしまいます。キコが必死にべイクを探し出すと、そこになとても大きな野ブタがいて…

 

黒色で描かれた絵に、明るいオレンジや水色の背景。斬新で鮮やかな色のコントラストに、目が惹きつけられます。

パプアニューギニアでは今も豊かな自然と共存しながら伝統的な文化を守って暮らしている少数部族があるとのこと。そんな暮らしを彷彿とさせる物語です。

著者について…

1960年生まれ、パプアニューギニア出身の作家。本書では名前の呼び方がマーロン・ケリナドですが英語でMarlon Kuelinad、のちに出版した本「森の暮らしの記憶」ではマーロン・クエリナドとなっています。

パプアニューギニアについて…

「地球最後の楽園」と言われるように自然の美しい国で、一年中半袖半ズボンで過ごせる気候です。

位置は、南半球の赤道近く、オセアニア地域、オーストラリアの160㎞北。

世界で2番目に大きな島、ニューギニア島の東半分を含む約600の島々からなり、国土面積は46.2万K㎡(日本の約1.25倍)。公用語は英語。

 

5万年前には人類が移住していたとされ、世界遺産に認定されたクック遺跡から、1万年前には集団農耕が行われていたことがわかっています。

第二次世界大戦では、国の一部が日本軍に占領され、連合軍との激しい戦争があり、戦争の残骸が国のあちこちに今も残っています。

2014年から産出が始まった液化天然ガスの輸出が、国の経済を飛躍的に押し上げているそうです。日本は液化天然ガスを輸入に頼っており、その点でも深いかかわりがある国です。

 

1991年に制作された本書の紹介によると人口約360万人とありますが、2021年世界銀行統計の情報では約911万人です。30年ほどで約2.5倍。

ちなみに1991年日本の人口は1.24億、2021年は1.257億です。

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