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一期一会の本と日常のおはなし

こころの百面相

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表情豊かは感情豊か。最近、笑っていますか、泣いていますか。

「 こころくん こころさん 」(フジテレビ出版 扶桑社 1987年8月 初版)  文 つかこうへい   絵 朝倉摂

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ひらけ!ポンキッキ」のうただった…

この絵本は、1973年から1993年まで、フジテレビ系列局で放送された子ども番組「ひらけ!ポンキッキ」のために制作した歌詞をもとに構成したものです。

20年続いた「ひらけ!ポンキッキ」、ガチャピン、ムックが有名ですが、この番組のために数多くの曲が制作されています。

「こころくん こころさん」はそのなかの一曲。

作詞 つかこうへい

作曲 南こうせつ

歌  大竹しのぶ

 

私がこの絵本を手にした理由は、絵を担当した朝倉摂に興味があったためでしたが、それぞれ芸術の世界で大活躍の方たち、さらに興味が増しました。

 

絵本「こころくん こころさん」について

縦横20㎝×20㎝ほどの真四角の絵本、開いてみると9等分したコマ割りのなかに、子どもたちの顔がいろいろな表情で描かれています。ポートレート写真のようです。

 

つかこうへい作詞の言葉に合わせて、笑った顔、怒った顔、悩んでいる顔…

 

たとえば「笑顔」といっても様々な笑顔があることがわかります。男の子も女の子も、ひとりひとりが違った笑い方、大笑いしたりクスクス笑いだったり、愛想笑いや嘲笑うような笑顔も。それぞれみんな違った感情を持って笑っているのです。

 

目が小さいし、線がはっきりしてないし、今のアニメのような可愛らしさとは違った味わい。近所の子どもを見ているようです。

 

子どものこころにだって、可愛いだけじゃない、意地悪な気持ちのときもあれば嫉妬を感じることもある、そんな多様で繊細なこころの動きを感じ取ることのできる表現です。

 

 

画家 朝倉摂について…

1992年、東京・谷中に、彫刻家朝倉文夫の長女として生まれる。17歳から日本画家の伊東深水に学び、早くから才能を認められます。

日本画に留まらず、舞台美術や絵本原画など創作活動は多岐に渡ります。

今月上旬、初の回顧展となる「生誕100年朝倉摂展」を鑑賞しました。時代に応じて変わる日本画の作風、洋から和まで多数の舞台美術製作、水彩やアクリルや墨で描かれた絵本原画は、とても見応えがありました。

 

見終わってまず感じたことは、「なんでもできる方だなぁ」。

 

展示されていた画家のことばが強く印象に残りましたので、ここに記します。

「小説家のね、書いてある文章あるでしょ。書いていない部分がある。白い余白。芝居やる時もそうなんだけど、それをなんとなく造形しようといつも思ってるわけ」

 

今も保育園で歌われたり、愛され続けている歌。大竹しのぶさんの声が若いです。

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