hon de honwaka

一期一会の本と日常のおはなし

尭風舜雨の賜物

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今日は敬老の日

日本の100歳以上の高齢者が過去最多の9万526人に。うち全体の88.6%が女性、最高齢は大阪府の女性で115歳。

100年前、1922年・大正11年の雨はどんな雨だったのだろう。

「雨を、読む。」(芸術新聞社 2021年5月初版) 著者 佐々木まなび

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雨の辞書のような…

こんなにたくさん雨にまつわる言葉があるのですね。なんて素敵な美しい言葉たちなんだろう。ページをめくるたびにパッと目に飛び込んでくる、いろいろな雨言葉の文字にうっとりしてしまいます。

377の雨にまつわる言葉が収められています。

今あまり使われなくなっていても、100歳の方ならお若いころ日常で使っていた言葉もあるだろうか。

日本の美しい情景が浮かぶ、日本画のようなレイアウトで並んでいる雨言葉の数々。机の傍らに置いて、時折そっと思い付いたページを開き、力を抜いて眺めたい。

著者は、日本の雨が大好きな、自他共に認める雨女さん。

美術館などのポスターや装幀を手がけるグラフィックデザイナーであり、紙文具ブランド「裏具」やテキスタイルブランド「HARUKA」も手がけている。株式会社グッドマン取締役。

本書の雰囲気がとても素敵だったので、いつか京都にあるお店を訪ねてみたいです。

雨言葉の覚え書き…

最近のゲリラ豪雨に使えそうな「鬼雨」(きう)、「盆雨」(ぼんう)

人の名前には付けない方がいいかな「雨彦」(あまびこ)=ムカデに似た節足動物の総称

こんなお店を開きたい「雨風食堂」(あめかぜしょくどう)=菓子・飯・酒・めん類など様々な飲食物を扱っている食堂のこと

単純に、かわいいなぁ「猫毛雨」(ねこけあめ・ねこんけあめ)=こまやかな雨のこと

こういう気持ちでありたい「雨奇晴好」(うきせいこう)=晴れた日は美しく、雨の日は趣きがあり、自然の風景はどれも素晴らしいこと

言葉の由来が奥深い「旧雨今雨」(きゅううこんう)=古い友人と、新しい友人のこと

雨を見る目が変わった…

本書に掲載された雨にまつわる言葉と出会って、雨に対する意識に変化が。

春の「催花雨」(さいかう)、秋の「露時雨」(つゆしぐれ)…四季の雨言葉の数々に日本の季節再発見。

白雨」(はくう)、「黒雨」(こくう)、「紅の雨」(くれないのあめ)と雨の色もさまざま。

五感そして六感を大切にする古来からの日本の美学がここにあると思いました。

さて、タイトルの「尭風舜雨」(ぎょうふうしゅんう)ですが、意味は、平和で穏やか、天下太平の世のことです。長生きも平和であってこそ…

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