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一期一会の本と日常のおはなし

【絵本】赤いものな~んだ

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昨日何十年かぶりで再会した方が、自分の仕事に以前と同じ情熱をもって取り組んでいらした。変わらないことが素晴らしいと思える瞬間でした。

今日はこちらの本です。

「ママのバッグ」(福音館書店 2016年 こどものとも年少版 2022年4月第1刷特装版) 作 花山 かずみ

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雨の日のおでかけ…

こちらの絵本は、2016年に「こどものとも 年少版」9月号「ママのバッグ」として発売され、今年4月に特製版が出版されました。

傘をさしたりカッパを着たり、雨の日のおでかけは準備が面倒ですが、こんなおでかけなら楽しい。優しい雨のなかのお話しです。

「ママのバッグは赤いバッグ。赤いのはママのバッグ。」小さなしゅうちゃんは呪文のように唱えながら、ママの後をついていきます。トコトコ歩いていくしゅうちゃんが、とても可愛らしいです。

モノトーンで描かれた絵本のなかで赤い色が映えます。鉛筆画なのでしょうか、温かいタッチで細やかに描き込まれた絵柄、赤色以外は黒の濃淡だけて表現されていて、レトロな雰囲気を醸し出しています。

しゅうちゃんがママとおでかけする先は、町の商店街。大勢のひとが行き来して、少し先を歩いているはずのママの赤いバッグを探すと…物陰に赤いものを発見します。近づいてみるとバッグではなく実は…。「この赤い色のものなーんだ?」と小さな子供に問いかけてみたくなります。

描かれている商店街の街並みが昭和っぽいです。おさかなくわえたどらねこも出てきちゃいます。おせんべい屋さんの店先や行きかう人々の着ている服にも懐かしさを感じます。洋服好きなら、ひとりひとりのファッションを眺めるのも楽しいです。

著者が、「ページをめくるたびに楽しめるよう工夫を凝らした」というちょっとした仕掛けを探してください。中華料理店のディスプレイのパンダ。カットサロン「ダンディー」から出てきたお客さんのほっぺに貼られたカットバン…

著者のプロフィール…

ご本人のブログ(ハナカズ日記)によると、千葉県生まれの千葉県在住。建築設計事務所やデザイン事務所に勤務した後、あとさき塾他ワークショップなどで絵本を学ぶ。B型、いて座、大切にしたいもの・・・ユーモア。ステキですね。

最近の著書には「子どものとも」7月号「ねこまたえん」(文 とみながまい 絵 花山かずみ)があります。この作品のために猫モデルを募集したとか。

他にもいろいろな絵本を手掛けられています。こけしを探せ的な絵本「どこどここけし」(作 山田マチ 絵 花山かずみ 出版こぐま社)に魅かれました。ネットの試し読みを閲覧したら、本書と同様に昭和の雰囲気があります。これから読んでみたい一冊です。

呪文というより…

メロディをつけて歌にしたらどうでしょう。♬「赤いのは ママのバッグ チャプ チャプ チャプ」♬雨の日はおうちでのんびりと、絵本のなかのしゅうくんと、一緒に歌いながらおでかけです。